全塗装 vs カーラッピング 原状回復・リセールバリューから見る、本当に賢い選択はどっち?

前回は、車の色を変える方法として「全塗装」と「カーラッピング」の基本的な違いを、仕上がりや費用といった観点から比較しました。

前回はこちら▼
車の全塗装とカーラッピングの違いを徹底比較!費用・耐久性・リセール価値で見る最適解はどっち?

今回は、「将来の売却」「メンテナンス」といった、長期的に愛車と向き合う上で欠かせない重要なポイントを掘り下げていきます。あなたのカーライフに最適な選択はどちらなのか、一緒に考えていきましょう。

 

1. 【徹底比較】全塗装 vs カーラッピング 3つの重要ポイント

前回に引き続き、両者の違いをさらに深く比較します。

ポイント5:原状回復とリセールバリューへの影響

<全塗装>元には戻せず、査定額は下がる可能性あり

塗装の最大のデメリットは、一度塗ってしまうと元に戻すことができない点です。これにより、将来車を売却する際に査定額が下がってしまう可能性が高いです。特に奇抜な色への変更は、買い手がつきにくくなるリスクもあります。

<カーラッピング>剥がして元通り。資産価値を維持できる

これこそがカーラッピング最大のメリットと言えます。フィルムを剥がせば、いつでも元の塗装状態に戻すことが可能です。これにより、売却時の査定額への悪影響を心配する必要がありません。むしろ、フィルムが元の塗装を保護していた分、綺麗な状態が保たれていると評価されることさえあります。リセールバリューを重視する方にとっては、決定的な違いとなるでしょう。ただし、経年劣化した車や再塗装された車の場合、フィルムを剥がす際に元の塗装が一緒に剥がれてしまうリスクもゼロではないため、信頼できる専門業者に依頼することが重要です。

ポイント6:メンテナンスと手入れ

<全塗装>比較的容易。ただしマット塗装は注意

一般的な光沢のある塗装は、洗車機の使用も可能でメンテナンスは比較的容易です。シャンプー洗車やコーティングも行え、美しい輝きを長期間維持できます。ただし、近年人気のマット塗装の場合は、表面がデリケートなため手洗いが推奨され、研磨剤やワックス入りのシャンプーは使用しない方がよいでしょう。

<カーラッピング>基本は手洗い。高圧洗浄機はNG

ラッピングした車は、優しく手洗いするのが基本です。高圧洗浄機や硬いブラシを使った洗車は、フィルムの端がめくれたり、表面を傷つけたりする原因となるため避けた方がよいでしょう。

ポイント7:部分的な施工・補修

<全塗装>部分的なキズ補修が得意

塗装は、擦り傷や小さな凹みなど、部分的なダメージの補修が可能です。周囲の色に合わせて塗料を精密に調色することで、補修箇所がほとんど分からないように仕上げることが可能です。

<カーラッピング>部分補修は苦手だが、パーツごとの着せ替えは得意

ラッピングフィルムは、一度傷がつくとその部分だけを補修することは困難です。基本的には、損傷したパネル一枚を丸ごと貼り替えることになります。その際、周囲のフィルムが紫外線で劣化していると、新しく貼り替えた部分との色味の差が目立ってしまう可能性があります。
一方、ルーフだけ、ミラーだけといった「部分ラッピング(パートラッピング)」で手軽に車の印象を変えるカスタマイズは非常に得意です。

 


 

2.【ケース別】あなたに最適なのは全塗装?カーラッピング?

これまで比較してきたポイントを踏まえ、どちらがあなたに適しているかを見ていきましょう。

全塗装がおすすめな人>

  • 10年以上同じ車に、同じ色で乗り続けたい方
  • 売却時の査定額を気にしない、あるいは乗りきる覚悟がある方
  • 塗装ならではの深い艶や、高級感のある仕上がりを最優先する方
  • ボディの傷や凹みの修理と同時に、全体の色もリフレッシュしたい方
  • オリジナルの純正色を再現したい方

カーラッピングがおすすめな人>

  • 将来的に車を売却する可能性があり、リセールバリューを下げたくない方
  • 数年ごとに色を変えたいなど、気軽にファッション感覚でイメージチェンジを楽しみたい方
  • マットカラーやカーボン調など、塗装では難しい個性的なデザインを求める方
  • 新車の綺麗な塗装を傷や紫外線から保護したい方
  • 企業のロゴなどを入れた広告宣伝車として活用したい方


 

3.【新たな選択肢】カラープロテクションフィルム(カラーPPF)とは?

最近では、カーラッピングと塗装の「良いとこ取り」とも言える「カラープロテクションフィルム(カラーPPF)」も登場しています。

これは、本来ボディ保護を目的とした厚手の透明フィルム(PPF)に色を付けたもので、カーラッピングフィルムよりも高い保護性能(耐飛び石性能など)と優れた耐久性を誇ります。さらに、自己修復機能を持つ製品もあり、軽微な擦り傷なら熱を加えるだけで元の状態に戻るという驚きの性能も持っています。カラーチェンジによるドレスアップと、強固なボディ保護を両立したい方にとって、新たな選択肢となるでしょう。ただし、フィルム自体が高機能なため、費用は通常のカーラッピングよりも高額になる傾向があります。

 


 

4. まとめ

車の色を変える「全塗装」と「カーラッピング」。どちらも愛車をドレスアップする素晴らしい方法ですが、その特徴は全く異なります。

全塗装は、長期的な美しさと本物の輝きを求める方に最適です。一度塗ってしまえば元の色には戻せないため、愛車を「一生モノ」として大切にしたい方に向いています。

一方、カーラッピングは、資産価値を維持しつつ、ファッションのように車のスタイルを変えて楽しみたい方に最適です。いつでも元の状態に戻せるため、車を「着替える」感覚で楽しみたい方に向いています。

それぞれの特徴を正しく理解し、あなたのカーライフを最も豊かにする選択をしてください。



ブログに戻る