知っておくべき!オーバーフェンダーの役割と車検基準
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街を走るクルマの中で、ひときわ目を引く存在感を持つワイドボディのクルマ。
張り出したフェンダーの向こうに、太いタイヤが収まっている姿は、見る者に強い印象を与えます。この迫力あるスタイルを作り出しているのが、オーバーフェンダーというカスタムパーツです。
「単なる飾りじゃないの?」
「車検は大丈夫?」
今回は、そんな疑問にお答えすべく、オーバーフェンダーが持つ役割や種類、そして合法的にカスタムを楽しむためのポイントを徹底的に解説します。この記事を読めば、あなたの愛車が持つ秘めたる魅力を引き出す、新しいカスタムの世界が見えてくるはずです。
1. なぜオーバーフェンダーは必要なのか?その3つの役割
オーバーフェンダーは、車のタイヤを覆うボディパネルに後付けで装着し、車体をワイドに見せるカスタムパーツです。その目的は、単なるドレスアップだけではありません。実は、車の性能や実用性に関わる重要な役割を果たしています。
役割① 幅広タイヤの装着を可能にする「ハミタイ」防止
オーバーフェンダーの最も重要な役割は、道路運送車両法で禁止されている「ハミタイ」を合法的に回避することです。
<ハミタイとは?>
タイヤやホイールがフェンダー(ボディの泥除け部分)からはみ出すことを指します。これは、走行中にタイヤが巻き上げた小石などが歩行者や後続車に飛散するのを防ぐための保安基準です。
レーシングカーのようにグリップ力を高めるため、あるいはドレスアップ目的で幅の広いタイヤやホイールを装着する際、そのままでははみ出してしまいます。そこで、オーバーフェンダーを装着して車体の幅を物理的に広げることで、タイヤをフェンダーの内側に収め、合法的にワイドなタイヤを履くことが可能になります。
役割② スポーティで迫力あるルックスの演出
オーバーフェンダーは、その機能的な役割に加え、強烈なドレスアップ効果も持ち合わせています。
車幅が広く見えることで、クルマ全体が低く、どっしりとした安定感のあるルックスに変わります。このスタイルは、1970年代のレーシングカーで多用されたことから「高性能の証」というイメージも持たれており、見る者に「このクルマは速そうだ」「力強い」といった印象を与えます。
LUDIXが手掛けるバハ・バグスタイルのビートルも、このオーバーフェンダーを装着することで、愛らしい見た目とワイルドなタフさが融合した、唯一無二の存在感を放っています。
役割③ ボディを守る「泥除け」としての機能
オーバーフェンダーは、タイヤが巻き上げる泥水や小石がボディに当たるのを防ぐ「泥除け」としての役割も果たします。
特に、砂利道や未舗装の道を走ることが多いオフロード車やSUVでは、この機能が非常に重要になります。また、純正で未塗装の樹脂製オーバーフェンダーが採用される車種も多いですが、これは砂利道などで木の枝に接触しても傷が目立ちにくく、金属製より安価に交換できるという実用的な理由もあります。
2. 似て非なるカスタムパーツ:ブリスターフェンダーとフェンダーモール
オーバーフェンダーと似た役割を持つパーツに、ブリスターフェンダーとフェンダーモールがあります。それぞれの違いを理解しておくと、カスタムの選択肢が広がります。
■ ブリスターフェンダー
ブリスターフェンダーは、フェンダー自体が滑らかに膨れ上がった形状をしており、ボディと一体化しています。後付けのオーバーフェンダーとは異なり、車種の純正デザインとして採用されることが多いのが特徴です。
ポルシェ911やBMW M3など、高性能スポーツカーに多く見られるこのデザインは、最初からワイドなタイヤを装着することを前提に設計されており、美しいボディラインを保ったまま迫力を生み出しています。
■ フェンダーモール
フェンダーモールは、主に両面テープで貼り付ける装飾品扱いのパーツです。保安基準で許容されるわずかなタイヤのはみ出し(10mm未満)を収める目的で使われることが多く、車検対応を謳った片側9mm程度の製品が一般的です。
取り付けが非常に手軽で、手軽にドレスアップ効果を得られますが、オーバーフェンダーのように車体をワイドに見せる効果は限定的です。
3. 知っておくべき、オーバーフェンダーと車検の基準
オーバーフェンダーを装着したまま車検に通すには、道路運送車両法の保安基準を満たす必要があります。これらの基準を無視して取り付けを行うと、車検に通らないだけでなく、公道での走行自体が違法になる可能性もあるため、注意が必要です。
ポイント① 車幅の増加量
<構造変更が不要な範囲>
オーバーフェンダーを装着したことによる車幅の増加が、車検証に記載されている全幅から左右合わせて20mm(片側10mm)未満であること。この範囲内であれば「軽微な変更」とみなされ、特別な手続きは不要です。
<構造変更が必要な範囲>
車幅の増加が合計20mm以上になる場合は、運輸支局などで「構造変更申請」を行い、車検証の記載を変更する必要があります。
ポイント② 取り付け方法
オーバーフェンダーは、走行中に脱落しないよう、ビスやリベットなどで確実かつ恒久的に固定されている必要があります。両面テープのみでの固定は、保安基準を満たさないと判断され、車検に通らない可能性が非常に高いです。
ポイント③ 車両区分の変更
たとえ車幅の増加が20mm未満であっても、車両区分で定められた全幅を超えてしまうと構造変更(登録変更)が必要になります。
- 軽自動車: 全幅1,480mm以下
- 小型自動車(5ナンバー): 全幅1,700mm以下
- 普通自動車(3ナンバー): 全幅2,500mm以下
例えば、もともと全幅1,475mmの軽自動車に片側9mmのオーバーフェンダーを装着すると、合計18mm増の1,493mmとなり、軽自動車の規格を超えるため小型自動車(5ナンバー)への登録変更が必要になります。この場合、自動車税や重量税も変更されます。
4. オーバーフェンダーを装着する際の注意点
合法的にオーバーフェンダーを装着するためには、いくつかの注意点があります。
<構造変更のタイミング>
構造変更検査を受けると、その日から新たに2年間の有効期間を持つ車検証が発行され、それまでの車検の残存期間は無効になります。無駄な費用を避けるため、車検満了のタイミングに合わせて構造変更を行うのが経済的です。
<DIYのリスク>
オーバーフェンダーの取り付けには、場合によって純正フェンダーの切断や加工が必要になることがあります。これには専門的な知識や工具が必要な上、一度加工すると元に戻すのが困難になり、適切な防錆処理をしないと錆の原因にもなります。
<新規検査と継続検査の違い>
すでにナンバーが付いている車に後付けして継続車検を受ける場合と、ナンバーのない中古車などに装着して新規検査を受ける場合では、判断が異なることがあります。新規検査では装着状態で車幅が計測されるため、軽微な変更とはみなされず不合格になる可能性があります。
5. LUDIXが考えるオーバーフェンダーの魅力
LUDIXが手掛けるニュービートルやザ・ビートルのフルカスタムは、オーバーフェンダーも重要な要素です。
バハ・バグスタイルを現代に蘇らせる上で、オーバーフェンダーは単なる装飾品ではありません。それは、愛らしいビートルを、タフでワイルドな「オフロードの相棒」へと変えるための不可欠なパーツなのです。
LUDIXのオーバーフェンダーは、これらの基準をクリアし、よりオフロード感が増すように選定して装着しています。
オーバーフェンダーというパーツは、クルマの個性を引き出すことのできるスパイスです。LUDIXでは、お客様のライフスタイルやビジョンに合わせた最適なオーバーフェンダーカスタムをご提案します。
まとめ
オーバーフェンダーは、車の見た目を変えるだけでなく、機能的な役割も果たす奥深いカスタムパーツです。
- ハミタイ防止やボディ保護といった実用的な役割
- スポーティで迫力のあるドレスアップ効果
- 車検基準をクリアするための正しい知識
これらを理解することで、あなたはより安心して、そして深くオーバーフェンダーの魅力を楽しむことができます。LUDIXは、オーバーフェンダーが持つ真の価値を理解し、お客様の愛車を唯一無二の存在へと昇華させるお手伝いをしています。
「あなたの愛車を、もっとワイルドに、もっと個性的に。」
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