なぜニュービートルとゴルフの土台は同じなのに、車内空間はこんなにも違うのか?
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こちらの記事で、ニュービートルと当時のゴルフ(ゴルフⅣ)の土台は同じというお話を少し書かせていただきました。
可愛さだけじゃない!ニュービートルが今なお愛される5つの理由
ただ、ニュービートルよりゴルフの方が広くないか?
ということで、その真相を解明すべく、いつもよりショートバージョンの記事も書くことにしました。
0. 土台とは?
ここまで「土台」と書かせていただいてきましたが、これは「プラットフォーム」のことです。プラットフォームとは、車の基本骨格となるエンジンやサスペンションなどを取り付けるための土台部分(シャーシやフレーム)を指します。
現在では、軽量化や乗り心地の向上などのため、フレームとボディが一体化した「モノコック構造」が取り入れられています。
▼シャーシ
▼モノコック構造
1. デザイン優先の車体設計
ニュービートルの最大の特徴は、初代ビートルを現代的に再解釈した「円弧」を多用したデザインです。このデザインを再現するため、ゴルフとは異なるボディが設計されました。
- ボンネットの長さとダッシュボードの奥行き: 初代ビートルのように、ボンネットからフロントガラス、そしてルーフにかけて滑らかな円弧を描くデザインを採用した結果、フロントガラスが極端に寝かされ、ダッシュボードの奥行きが非常に長くなっています。
- ルーフラインの高さ: ルーフラインもまた、円弧を描くデザインのため、後席のヘッドクリアランス(頭上の空間)が狭くなっています。
2. エンジン配置と駆動方式
ニュービートルは、ベースとなったゴルフと同じく前輪駆動(FF)です。しかし、初代ビートルのようなデザインを再現するため、ゴルフとは異なるエンジンの搭載位置やレイアウトになっています。
- ゴルフの効率的なパッケージング: ゴルフは、限られたプラットフォームのなかで最大限の室内空間を確保するために、エンジンやトランスミッション、サスペンションといった部品を効率的に配置する設計思想で作られています。
- ビートルのデザイン優先レイアウト: 一方、ニュービートルはデザインを優先していたため、室内空間を狭くしてでも、その象徴的なフォルムが作られました。
まとめ
ニュービートルは、共通のプラットフォームを持ちながらも、「デザイン性」を最優先した結果、ゴルフが持つ「実用性」や「居住性」という面は充実していません。
ゴルフが「日常の使いやすさ」を追求した大衆車であるのに対し、ニュービートルは「個性」や「デザインの魅力」を何よりも重視した車です。この設計思想の違いが、同じプラットフォームでも全く異なる室内空間の感覚を生み出しているのです。